申命記6章4~6節
4 聞きなさい。イスラエル。主は私たちの神。主はただひとりである。
5 心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。
6 私がきょう、あなたに命じるこれらのことばを、あなたの心に刻みなさい。
同7章6~11節
6 あなたは、あなたの神、主の聖なる民だからである。あなたの神、主は、地の面のすべての国々の民のうちから、あなたを選んでご自分の宝の民とされた。
7 主があなたがたを恋い慕って、あなたがたを選ばれたのは、あなたがたがどの民よりも数が多かったからではない。事実、あなたがたは、すべての国々の民のうちで最も数が少なかった。
8 しかし、主があなたがたを愛されたから、また、あなたがたの先祖たちに誓われた誓いを守られたから、主は、力強い御手をもってあなたがたを連れ出し、奴隷の家から、エジプトの王パロの手からあなたを贖い出された。
9 あなたは知っているのだ。あなたの神、主だけが神であり、誠実な神である。主を愛し、主の命令を守る者には恵みの契約を千代までも守られるが、
10 主を憎む者には、これに報いて、主はたちどころに彼らを滅ぼされる。主を憎む者には猶予はされない。たちどころに報いられる。
11 私が、きょう、あなたに命じる命令――おきてと定め――を守り行なわなければならない。
出エジプトを果たしたイスラエルの民でしたが、約束の地カナン入国を前に、彼らは過渡的な状況にあったと言うことができます。それは①第一世代から、第二世代への世代交代、②荒野における遊牧生活から、カナンでの定住・農耕生活への転換といったことです。特に、これから入ろうとするカナンは豊穣の神バアルや穀物の神ダゴンなどといった異教の神々の霊的影響下にある土地でもありました。バアル礼拝においては宗教的売春が行われ、さらに人間をいけにえにささげる風習もありました。このような霊的環境において、新しい世代の人々が唯一の神との正しい関係を守っていくためには、すでに与えられた律法を改めて語り、教える必要がありました。それを、あたかも説教を語るようにして示したのが本書(申命記)です。神はモーセを通して、「聞きなさい(シェマー)イスラエル」「主は私たちの神。主はただひとりである。心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。」と語ります。これは、ただ単に神に対して無条件に服従しなさい、従順しなさいという意味ではありません。彼らが神を愛する理由は、まず神が彼らを愛され、選ばれたからこそだということです。 「あなたは、あなたの神、主の聖なる民だからである。あなたの神、主は、地の面のすべての国々の民のうちから、あなたを選んでご自分の宝の民とされた。主があなたがたを恋い慕って、あなたがたを選ばれたのは、あなたがたがどの民よりも数が多かったからではない。事実、あなたがたは、すべての国々の民のうちで最も数が少なかった。しかし、主があなたがたを愛されたから、また、あなたがたの先祖たちに誓われた誓いを守られたから、主は、力強い御手をもってあなたがたを連れ出し、奴隷の家から、エジプトの王パロの手からあなたを贖い出された。」イスラエルの民は決して模範的な民族とは言えませんでした。せっかくの出エジプトを果たした後も、神に逆らい、不平や不満は消えることはありませんでした。しかし、神は永遠なる愛、契約の愛をもって、彼らを愛されたのです。その愛なる神ご自身の御言葉を刻み付けなさいというのです。他の神々に心を寄せてはならない。惑わされてはならない。あなたを真に愛しておられる神、主の命令を守って、その道に歩み、主を恐れなさい。これこそが自らを守る道なのだと主は語られます。
0 件のコメント:
コメントを投稿