詩編119編89~96節
89 主よ。あなたのことばは、とこしえから、天において定まっています。
90 あなたの真実は代々に至ります。あなたが地を据えたので、地は堅く立っています。
91 それらはきょうも、あなたの定めにしたがって堅く立っています。すべては、あなたのしもべだからです。
92 もしあなたのみおしえが私の喜びでなかったら、私は自分の悩みの中で滅んでいたでしょう。
93 私はあなたの戒めを決して忘れません。それによって、あなたは私を生かしてくださったからです。
94 私はあなたのもの。どうか私をお救いください。私は、あなたの戒めを、求めています。
95 悪者どもは、私を滅ぼそうと、私を待ち伏せています。しかし私はあなたのさとしを聞き取ります。
96 私は、すべての全きものにも、終わりのあることを見ました。しかし、あなたの仰せは、すばらしく広いのです。
誰でも生きていくうえで、悩みはあるものです。自分の力で解決できる問題なら努力すれば良いでしょうが、時にはどうにもならないことが起こることもあります。その時に、そのどうにもやりきれない思いをどう処理すれば良いでしょうか。ある人は「あいつのせいだ」「世間のせいだ」「天のせいだ」といったように誰かのせいにして、怒りや憎しみをぶつけることで、自らを保とうとするかもしれません。この詩編の記者もまた理不尽な悪者どもに苦しめられている状況の中にいます。しかし、詩人は「自分の悩みの中」から神の言葉によって救い出されたのだと告白しています。それは、誰が何と言おうと、何をしようと、いかに自分の存在を脅かそうとしても、自分は神のものであり、神の子どもであり、神の保護の中にいるのだという強い信仰の告白です。悩みに勝る喜びが神の言葉にはあるというのです。その通り、神の言葉はいつも真実です。時代や環境に左右されず、堅固で、私たちを決して失望させません。その神の言葉が私の喜びであるならば、深い悩みの中でも勝利することが出来るのです。
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